2026 年 6 月末、Anthropic の Claude モデルが Microsoft Foundry で一般提供になった。Foundry はマイクロソフトのクラウド Azure の中にある AI モデルの作業台で、企業はここでモデルを選んで配置し、既存の権限や監視につなげられる。すでに Azure を使っているチームには、Claude は見慣れた Azure のサービスが一つ増えたように見える。

だがマイクロソフトの公式文書ははっきり書いている。どの配置の方法を選んでも、Claude の販売者で運用者は Anthropic であり、Anthropic はプロンプトと回答の「独立したデータ処理者」で、利用には Anthropic の条件が適用される。

つまり管理の入口は見慣れた画面に変わったが、データの責任は一緒には移っていない。顧客のデータ、社員のデータ、社内の文書をつなぐ前に、文書に沿って三つの問いに答える。誰がデータを処理するか、どこで処理するか、例外のとき誰が見られるか。画面を見てもこの答えはわからない。

自分たちのクラウドの中でも、既存の契約で守られるとは限らない

マイクロソフトの文書によれば、Foundry の Claude には二つの配置の方法がある。

Azure 上に配置: プロンプトと回答は Azure の基盤で処理され、保存されたデータは選んだ Azure の地理的な地域に置かれる。ただし処理の範囲は「グローバル」か「データゾーン」の配置の選択によって決まる。さらに自動の防護が、Anthropic の信頼と安全のチームの審査に送られうる内容に印を付ける。Anthropic の担当者が顧客の内容を審査するのは例外の場合だけだ。

Anthropic の基盤に配置: プロンプトと回答は Anthropic の設備で処理され、Azure の外、さらには選んだ地域の外になることもある。

どちらも「マイクロソフトが自ら運用するモデル」とは違う。法務とセキュリティにとっては、別の会社のデータ処理の条件を審査する必要があるということで、既存の Azure の契約の結論をそのまま使い回すことはできない。

文書に沿って三つの問いに答える

誰がデータを処理するか。 利用者の入力からモデルの回答までを一本の線に描き、区間ごとに誰が処理し、どれだけ保存するかを書き込む。Anthropic が処理者であることを、法務とデータ保護の責任者に伝え、承認してもらう。

どこで処理するか。 自分たちのデータの種類が、どの地域に行ってよいかを確かめる。InfoQ の報道によれば、一般提供の時点で Foundry の Claude には米国のデータゾーンしかなく、欧州のデータゾーンはなかった。「グローバル」の配置はどこで動いてもおかしくない。顧客のデータを特定の地域にとどめる社内規則があるなら、この問いだけで使えるかどうかが決まる。

例外のとき誰が見られるか。 自動で印が付いた内容は、Anthropic の人による審査に回ることがある。どの種類のデータをこの経路に流さないかを前もって決める。伏せる、要約する、あるいは社内のシステムで扱う。

三つすべてに書面の答えがそろってから、どの流れをつなぐかを話し合う。

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答えがそろわないなら、まず範囲を落とす

三つの問いのどれかに答えられなくても、二度と使えないわけではない。まず範囲を狭めるということだ。社内の機密度の低い作業だけにする、少数のテスト用アカウントにだけ開く、システムに書き戻さない試行だけにする。

本番でつなぐ前に、さらに二つを用意する。誰が、いつ、どのアプリから、どんな種類の作業を送ったかをたどれるログ。モデルが使えない、地域の条件が変わったといったときの逃げ道。別のモデル、人の手による処理、順番待ちなどだ。AI が止まったとき、仕事が止まる長さは自分の備えで決まるも参考になる。

この答えは古くなる

こうした情報は変わる。データゾーン、配置の方法、条件はどれも更新されうるので、使い始めたときの結論には日付を書き、公式の文書を定期的に見直す。この記事がまとめているのは 2026 年 7 月初めの状況だ。

また、ここで扱っているのは「モデルが本物のデータを扱えるか」だ。AI ツールがメールボックスや共有文書も検索するなら、何を読めるのかを別に確かめる必要がある。AI 検索がメールボックスを読めるとき、人に見えるものを AI が扱ってよいとは限らないも参考にしてほしい。

AI 整理カード

Microsoft Foundry(またはほかのクラウド基盤)で第三者の AI モデルを使い、本物のデータを扱いたい。まずデータの責任を確かめたい。
判断方法はこの記事による:https://boosterminiclass.com/ja/posts/claude-foundry-production-readiness-checklist/
記事の見方はこうだ。見慣れたクラウド基盤でモデルを有効にしても、データの責任は一緒に移らない。Foundry の Claude の場合、データの処理者は Anthropic のままで、印が付いた内容は人の審査に回ることがあり、一部の配置ではデータが選んだ地域にとどまる保証がない。本物のデータをつなぐ前に、公式の文書に沿って答える。誰が処理するか、どこで処理するか、例外のとき誰が見られるか。

使う予定のモデル、配置の方法、扱うデータの種類(データそのものは含めない)を説明する。次のことをしてほしい。
1. 確かめるべき公式の文書と条件を挙げ、それぞれで何の答えを探すかを書く;
2. 私が渡す情報をもとに、データの流れの表を下書きする。区間ごとに誰が処理し、どの地域で、どれだけ保存するか。見つからないものは「要確認」とする;
3. 提供元の人の審査に回りうる場面と、先に伏せるべき、または社内の流れで扱うべきデータの種類を挙げる;
4. いまは「本番でつなぐ」「範囲を落として試す」「当面使わない」のどれが合うかを判断し、法務、セキュリティ、データ保護の責任者がそれぞれ承認すべき項目を挙げる。
一般的な印象から条件を推測しないこと。見つからないものは見つからないと書くこと。
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参考資料