
AI に速いコードを自動で探させる前に、何をもって「より良い」とするかを書いておく
Google の AlphaEvolve のようなツールは、大量のコードの版を自動で作り、最も点数の高いものを選ぶ。見ているのは評価プログラムが測れるものだけで、測られていない条件は犠牲になりうる。任せる前に、基準、点数、破ってはいけない制約、停止条件、承認する人を書き出しておく。
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Google の AlphaEvolve のようなツールは、大量のコードの版を自動で作り、最も点数の高いものを選ぶ。見ているのは評価プログラムが測れるものだけで、測られていない条件は犠牲になりうる。任せる前に、基準、点数、破ってはいけない制約、停止条件、承認する人を書き出しておく。

AI によってコードの第一版を書くのは安くなったが、それをレビューし、半年後に保守するコストは下がっていない。第一版は試し見積もりとして使い、AI との対話記録を見ずに説明できる人と、保守を引き受ける人がいてから取り込む。

記録を作り、通知を送ったあとで流れが失敗すると、そのままやり直せば同じことを二度してしまうかもしれない。外部の状態を変える手順ごとに、たどれる番号を残し、失敗したときの埋め合わせ方を決め、メールの送信や支払いのような取り消せない操作は最後に回す。何がもう起きたかがわからないなら、止めて人に渡すのが正しい。

Figma では、デザインのレイヤーをワンクリックで動くコードに変えられ、アニメーションもそのままコーディングエージェントに渡して実装させられる。試作が完成品に近く見えるほど、そのまま作られてしまいやすい。引き継ぎでは、どこが確かなデザインの意図で、どこが探りの実験かをデザイナーがはっきり示し、どのコードを書き直すかはエンジニアが判断する。

AI のセキュリティツールは、脆弱性を自動で見つけ、修正を作り、テストまで回せるようになった。速くなった後に問うべきは、直せるかではなく、どの修正を人の承認なしに出してよいかだ。決め手は問題が起きたとき戻せるかどうか。戻せてテスト済みの小さな更新は速く通してよいが、ログイン、決済、顧客データ、デプロイに触れる修正は必ず人が承認する。

オープンソースのツール DockSec は、複数の Docker のスキャナーを組み合わせ、AI で警告を説明し、直し方を提案する。その自動修正が行うのは Dockerfile の機械的な修正だけで、ベースイメージの版を選んだり、秘密情報を動かしたり、デプロイの設定ファイルを書き換えたりはしない。この線はチームでもそのまま使える。AI モードを使う前には、何がモデルに送られるのかも知っておく。

NVIDIA の RTX Spark は、Arm のプロセッサー、強力なグラフィックスのチップ、最大 128GB の共有メモリを Windows のノートパソコンに持ち込み、手元で AI を動かすことを売りにしている。だが Arm の構成に替わると、毎日使うソフト、プラグイン、ドライバーがすべてネイティブに動くとは限らない。買う前に自分の道具の一覧を一つずつ照らし合わせ、毎週待たされている仕事で実際に試す。

ログのよしあしは、何行書いたかではなく、ログだけで、いつ、どこで、何が起き、そのときどんなデータを扱っていたかに答えられるかで決まる。前回の障害を一度再生すれば、何が足りないかがわかる。Python に組み込みの logging でほとんどできる。Loguru に替えると主に設定の手間が省けるが、既定でエラーの記録に変数の値を書き込む点に気をつける。

GitHub Copilot は 2026 年 6 月から使った分だけの課金になった。コードの自動補完はこれまでどおり無料で、お金がかかるのは対話と長時間のエージェント作業だ。しかも枠を使い切っても、安いモデルに自動で切り替わらなくなった。チームは二つを前もって決めておく。枠を使い切ったら止めるか払い続けるか、どの作業にいちばん高いモードを使わせるか。

coding agent は issue から pull request まで進められるようになり、承認まで AI に任せられるようになった。人が判断できる位置は前に移る。渡す前に、単独でレビューできる最初の diff を書き出せるか。書けないタスクは、agent に調査だけを任せる。